以前から気になっていた、Dali ZENSOR1 (27,800円~)。
ちょうど、別件で新宿に寄り道する用事があったので、ヨドバシカメラに行って試聴して来た。
置いてあった場所は、静かなピュアオーディオ売り場ではなく、騒々して試聴にはあまり適さないミニコンポ売り場。
Denonのコーナーに、 RCD-M38 (23,500円~)と組み合わせてあった。
上段にはRCD-M38のプレミアムシルバーとZENSOR1のライトウォールナット、下段にはRCD-M38のブラックとZENSOR1のアッシュブラックのペアで配置してあり、「Denon・Daliセット」として売り出されていた。
まずは見た目から。
スピーカー端子は、金メッキされた上等なものが使われていた。
キャビネットも剛性があり、しっかり作られている。
エンクロージャーが塩化ビニール仕上げなので(前面以外)、ライトウォールナットの方はどうしても安っぽく見えてしまうが、アッシュブラックの方は特に気にならなかった。
ただし、上位グレードのMENTOR MENUET (104,000円~)のように、天然木の突き板仕上げであれば、黒系のブラックサティンよりも明るいチェリーの方が、より木目の良さを活かしているし、ものとしての所有感をより得られ、さらにインテリアの風景の一部としても馴染みやすい。
次に、音について。
DENONが試聴用に置いてあるCDで試聴したが、B&Wのツイーターであればキンキンしてしまうようなパートも、適度にまろやかにして聴きやすくしていた。
二曲ほど試聴したが、特に女性ボーカルの曲が、艶があって、音の広がりもあり、喧騒とした店頭でも十分心地よく楽しむことができた。
また、家であらかじめ録音しておいたラジオ番組を、iPhone 4のDockコネクタに店頭で準備してあったケーブルを繋いで聴いてみたが、海外スピーカーでは気になる点であった話し声も、パーソナリティーの声をはっきりと聞き取れて安心した。
最後に。
サ行の音もそれほどきつく感じないので、作業用のBGMなど長時間まったり聴くのに向いている。
ヨドバシでは29,800円で売られているが、最も安いモデルでもDALIのスピーカーだという特徴が大いに感じられた。
前面のツイーター周りにある銀色のリングも安っぽく思わなかった。
正直、今使っている定価90,000円のKENWOOD LSF-777よりも良い音に感じられた。
ZENSOR1の場合、少なくとも、高中低とどの音域も不自然さがない。
高音域を細く感じることはなく、中音域が凹んでいることもなく、低音域が必要以上に出ていることもなかった。
ミニコンポとの組み合わせかつポン置きの状態でも音楽を十分楽しめたので、B&Wのようにシビアなセッティングをそれほどしなくても済む。
もちろん、DALIのスピーカーなので、しっかりとセッティングを詰めてあげれば、その期待に応えてくれるポテンシャルを持っているはずだが…。
技術面でも、パソコンの性能向上や設計ソフトの進化に合わせて、スピーカーもメーカーを代表するフラグシップモデルから新しい技術や手法が開発されて取り入れられ、その後は下位モデルにも反映されているからだろうか。
おそらく、当時定価10万円のスピーカーよりも、新しい技術やパーツが採用されている最近のエントリーモデルのスピーカーを買った方が、価格差で生じるパーツの物量投入以上に年数による技術革新の方が優っていて、音を良く感じたのかもしれない。
もしくは、単に私の耳にはエントリーモデル(3万円)のスピーカーの音で十分な満足を得られるだけなのか…。
音楽が自然と耳に入ってくるチューニングのされたヨーロッパサウンドが好きという、音の好みもあるのかもしれない。
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